パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

今夜、ロマンス劇場で★★★★

2018年02月15日 | アクション映画ーカ行

現実世界に飛び出したモノクロ映画のヒロインと映画監督を夢見る青年の切なくもファンタジックな恋の行方を綾瀬はるかと坂口健太郎の主演で綴るロマンティック・ストーリー。共演に本田翼、北村一輝、中尾明慶、柄本明、加藤剛。監督は「のだめカンタービレ 最終楽章」「テルマエ・ロマエ」の武内英樹。

あらすじ:映画会社で助監督として働く真面目な青年・牧野健司。映画監督を夢見る彼は、馴染みの映画館“ロマンス劇場”に通い詰め、そこで見つけた古いモノクロ映画を夜ごと鑑賞しては、劇中のお姫様・美雪への恋心を募らせていく。そんなある日、美雪がいきなりスクリーンから飛び出してきた。突然の奇跡に混乱しつつも、成り行きから憧れの美雪と奇妙な同居生活を送ることとなった健司。お姫様である美雪のワガママに振り回されながらも、色のない世界しか知らなかった彼女にカラフルな現実世界を案内していく。そしていつしか互いに距離を縮めていく健司と美雪だったが…。

<感想>綾瀬はるかと坂口健太郎が魅力的なカップルを演じる、ロマンチックなラブストーリー。映画愛にあふれている。「ローマの休日」や「カイロの紫のバラ」など、様々な名画のエッセンスが溶け込んでいて、映画監督志望の青年である健司の目の前に突然、憧れの古いモノクロ映画のヒロイン、美雪が白黒のままで登場するのですね。

なんてロマンチックなんでしょう。大好きな映画の中へ入り込んで見たいなんて思っている私には、お伽噺のような、妄想のような物語に憧れてしまいます。シロクロの映画の中から飛び出して来たお姫様は、お転婆でツンケンとしていて、「今日からおまえは、わたしのしもべだ」と、口の悪いズケズケと喋るトンでも女性だったのです。美雪と言って、綾瀬はるかにぴったりのハマリ役でしたね。

彼は、現実世界の“色”を教え初め、次第に二人は恋に落ちてしまうんですね。ところが、美雪は人間の温もりに触れるとこの世界から消えてしまうというのだ。健司は美雪と手をつなぐどころか、抱き合い、キスも出来ないのだ。それで考案したのが、ガラス越しでのキスなんですよ。触れたいけれど触れられない、とてもピュアな美しいシーンであり何とも歯がゆい感じがするんですね。

二人でデートする場所が、紫色の藤棚があるとても素敵な公園とか、虹、蛍、一緒に見る映画とか、かき氷を食べるシーンもあります。

氷に赤や、黄色、青といった着色した甘いシロップをかけて食べるかき氷は、二人にとっても甘い思い出となるでしょう。

昭和35年を中心とした物語は、映画製作全盛期の映画会社・京映を舞台にしており、映画製作の裏側が随所に入るのも良かった。京映撮影所での人気スターである俊藤龍之介に、顔の濃い北村一輝が扮していて、いろんな役を演じるシーンも面白い。

それに、健司を好きになる映画会社の社長令嬢に、本田翼が扮していて健司に恋心を抱くのだが、健司は美雪一筋なのでフラれてしまう。古い映画館の主に柄本明が扮していて、「実は俺にもそのような経験がある」なんて言って、応援してくれます。

驚いたのが、健司が年を重ねて行くのに、美雪は全然年を取らないわけで、いつまでも出会った時と同じ若くて美しいままなんですね。それは、健司が約束を守って、美雪には絶対に触れなかったからなんです。

それでも、人間は老人になり死が近づくわけで、年老いた健司の役には加藤剛さんが扮していて、違和感がありません。病院で闘病生活をしている健司のところへ、毎日のようにお見舞いに来る若い美雪の姿があるんですね。看護婦さんには、「お孫さんですか、それとも親戚の姪っ子さん」とか思われている。

ラストはとても切ないくて、でも仕方がないことで、健司が死を目前にした時に、美雪と健司は初めて手を握り抱き合うのですね。消えてしまうことは、当然知っていたのに、しかし、健司の死を見届けてから美雪のことを想うと、こうするしかなかったのでしょう。

それでも、この作品は思いがけないサプライズが用意してあった。それは、天国へ召された健司が若い姿になり、彼の前には白黒映画の世界へと、そこは美雪のいる映画の中の世界でありました。

ラストのエンディングの曲、シェネル「奇跡」が作品によく合っていて、最後は泣けてしょうがなかった。

 

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